北城貴子展

岡山のエスプリ・ヌーボーで北城貴子展が開催される。
http://www.geocities.jp/esprit_n/0807-hojo_08.html

僕は大学時代にアートの勉強をしていたが、わかったのは「アート」というフレームの中でのできごとに興味はもてないということだった。でもおもしろい表現にはたくさん出会えた。見ているだけでグラグラと揺さぶられるような強い表現があった。それらの表現は、アートのフレームを飛び越える力をもっていた。
僕には、絵画も彫刻も文学も映画も、世界記述のひとつ。世界は広くて、常に変化している。どんな人だって世界全体を語ることなんてできない、描ききれない。でもひとつの作品、世界の断片的な表象を見つめることによって、世界の全体を想像することは可能だ。
美術館やギャラリーを巡るのもいいだろう。だが僕は、例えばセザンヌの絵を見てまだ行ったことがないサント・ヴィクトワール山を想像し、できれば行ってみたいと思う立場をとりたい。もちろんどんな表現も、世界の情報だけにはとどまらない。何かが付与されていることを忘れてはならない。だからこそ人の手によって描かれる意義がある。
とにかく僕にとって北城さんは、世界に光がある、ただそれだけですごいこと、豊かなんだということを教えてくれる貴重な人。
展覧会は10月3日(金)から10月26日(日)まで。なんとか行きたい。