香山リカと曽我部昌史と藤浩志

9日、バイトが終わってから急いで北本に向かう。デザイン会議の前夜祭。今回のデザイン会議、会場がいくつかあるのだが間違えて違う会場に行ってしまいあせる。迷子になって開会式(?)に遅刻。日比野克彦、熊倉純子、西尾美也という豪華な顔ぶれのトークを途中から聴く。司会は森司さん。鹿児島ではお世話になりました。西尾さんのOverallプロジェクトはとてもおもしろそうなので、作品を設置したところを見たかった。残念。純子先生は、相変わらず話のポイントをうまく捉えている。
次に、香山リカの基調講演。基調講演ですよ。しかも香山リカ。おもしろすぎる。飲み屋の姉ちゃんみたいな喋りが最高。実は、香山さんとか斉藤環がカルチャーをとりあげるとき、語りはおもしろい(ときもある)けど、紹介しているものの質に疑問があった。まぁ、それほどこの手の人たちの本を読んでいるわけではなくて、新聞や雑誌にお二人が寄稿していたものを読む程度ですが。でも、文化研究のプロパーではないのだから、そうなるのもしかたないのかなという気もしてきた(反対に紹介しているものはおもしろいのに論旨がつまらないのが毛利嘉孝。でも、それはまた別の話)。香山さん、文章より話のがいけてます。話しぶりがおもしろい。心配になるくらいスリルがあった。
30分ほどの基調講演の後、香山リカ曽我部昌史みかんぐみ)、藤浩志の鼎談。曽我部さんと藤さんの組み合わせはよくあるけど、香山さんが加わることでいつもとまったく違う展開。論旨は同じなんだけどディテールが変わってくる。基調講演で、お金にならないことの価値を香山さんが積極的に評価していたので、藤さんもお金がないことのメリットをいつもより強調して話していた。「地上げ屋で働いていたときは、大きなお金が動いている中にいたので、お金に群がる人たちと一緒に仕事をしていた。これほど辛いことはなかった。今はお金がないから、そういう人たちとつきあわなくてすむ。何かおもしろいことをやろうという人たちしかよってこない」と話す藤さん。
中華屋で打ち上げの後、日比野さんたちの造船所を見学してから北本タワーに移動。ボロボロのビルがこうなっているとは北本市民の人も驚きでしょう。ここがどうなっていくのか、かなりたのしみ。キタミンラボのメンバーがかなりいい。で、北本タワーは居心地がよすぎて、終電がなくなっても森さんや熊倉先生たちと話して、さらに朝方まで藤さんや日比野さんと話してしまう。
そのままバイトに向かう。久しぶりに充実の時間。自分の来年の方向性を考える材料ももらえたような気がする。