小川伸介とタヒミック

僕が行けなかった2007年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では、ペドロ・コスタ蓮実重彦と並びタヒミックが審査員だった。
そのときのタヒミックの言葉をウェブでも読むことができる。
http://www.yidff.jp/2007/cat011/07c031.html
山形の映画祭がどういうものかよくわかる文章だ。人と人が出会い、それぞれの活動が影響しあい、連鎖し、別の何かに結実する。東京ではダメだ。いくら名作上映会をやってもダメだ。人と人が本当に出会うことで、幸福な映画祭が生まれた。

小川さんに捧げた私の映画(『虹のアルバム』)で、彼がまるで部族の長のように呵々大笑する声を聞くことができる。映画のナレーションは語る。「米粒をとおして、小川は自分が属する部族を発見した」。(セルロイドのスパゲッティが大好物な部族だろうか?)

小川伸介とタヒミックの結びつきを考えただけでも、映画史にとって山形は特別な土地だ。
久しぶりに『虹のアルバム』を見たい。