「山下陽光の大チョロズムパノラマワールド」展

山下陽光(やましたひかる)君の展覧会が開催されます。
http://blog.goo.ne.jp/bashop/d/20080909
今から7、8年前にヒカル君に会い、僕の身のまわりで最も早く世に出る人はこの人だと当時思った。
結局、彼のスピード感ある表現が世の中に理解されるよりも、彼がやっていることに飽きてしまう方が早いというのが常で、僕の予想は外れた。最近、佐藤修悦さん関係や素人の乱などの盛り上がりでヒカル君が注目されるようになっているが、まだまだ真価が発揮されているとは言い難い。
今回の展覧会でヒカルパワーが全開放されることを願っている。
企画はアートライターの福住廉さん。
http://blog.livedoor.jp/nicchi_sacchi/
正直、僕は福住さんのいい読者ではない。どうしても福住さんの文章をおもしろく読めない。アート業界に違和感をもって書いているのはいいのだけど、それをいいたいがために作品や事象をとりあげている感があって、なんだか悲しいのだ。だから文章は好きではないんだけど、考えていることはわかるような気がして、こういう人には企画でがんばってもらいたいと思っていた。そんな福住さんが企画する「21世紀の限界芸術論」というシリーズの展覧会の4回目にヒカルが選ばれたわけです。というわけで僕としてはかなり関心のあるできごと。
しかも連日超豪華ゲストが出ます。だって、大きなイベントでメインをはれる人がたくさん。すごいすごいと思っていたら、なぜか僕も一日だけ昔の仲間と出席することになりました。
http://blog.goo.ne.jp/bashop/d/20080910
他のゲストが豪華すぎるので僕みたいなのが出て脱力させたほうがいいんでしょうか。よく、わからん。公開同窓会みたいなものか。ま、それはそれでいいかもね。
だけどヒカル君の力はみんなにわかってほしい。すごくわかりやすい部分もあるけど、わかりにくいところがあるからなー。ものすごい期待と不安。それにしても連日のイベントは確かにおもしろそうなんだけど、すごい仲間がいっぱいいるということではなくて、できればヒカル君のすごさがズドーンとくるものが見たい。もちろん、そんなこちらの思惑からはズレていくのがヒカルの真骨頂。う〜ん、なんで僕が悩むかね。というか世の中が遅すぎる。本当に。早く気がついてよ。

ちなみに休刊になる「論座」で山下陽光×松本哉素人の乱)×ECDの座談会が掲載されているらしい。本当にこの雑誌を作っている(作っていた)出版社はバカだと思う。だって彼らのことをちゃんと評価できてないのに、利用するだけ利用して、それで休刊かよ。高円寺に頼りすぎ。だったら編集権を高円寺にあげればよかったのに。休刊でいいけどさ。こういう雑誌を出している出版社がなんとか世代とかジェネレーションとか、耳触りのいいキャッチフレーズで何か言ったつもりになっているのは、うんざりする。遠くから理屈を言ってどうすんの。場所っプで朝まで話せ!「取材」してんじゃないよ。現場から遠い感がぷんぷんするんだって。そういう理由でアカデミズムの文化人類学が批判されるパターンがあるけど、そんなレベルとは全然違ってひどいから。ここまで書いて「でも編集者は所詮は組織のコマだからなー」と思ったりもする。きっと編集者はその人なりに高円寺の松本さんたちの活動に共感するところはあったんだろうな、なんて。だけど効力もなにもない論壇のブランドのために高円寺の人たちが利用されているのを見ると、がっくりするのは避けられない。高円寺がどうしたとか言うなら、休刊する前にわら半紙に印刷してみればいいのに。コピー用紙だっていいでしょ。「論座」より素人の乱のフリーペーパーのがおもしろいんだよ。「作りたくて作っている」ものと、「給料もらっているから作っています」の違いだよ。
僕もお金をもらって何かすることはあるわけで、出版社やライターの人にも生活があります。それはわかる。でも「給料もらっているから作っています」が「作りたくて作っている」をもちあげるだけもちあげて、ちゃんと評価できてないのはまずいでしょう。結局、やじ馬でしょ。「あんたらはなんなの?」という問いにどう答えるの?印刷が外注なのはいいけど、思想もアウトソーシングで、じゃあ出版社は何をしているのさ?「貧乏人の仲間」みたいなポーズとって論壇に居場所を作っているふうにしか見えない。いっそのこと松本さんかヒカル君を編集長にしてリニューアルすればいいのに。

なんか、途中から怒りモードでした。とりみだしてすみません。とにかく山下陽光君の展覧会があります。何かを探している人、おもしろいものはないかなと思いながら道を歩いている人は見てください。退屈に苛立ち、余計なことをして、途中でやめる男、山下陽光がいます。たいがいくだらないんだけどね。ゾミゾミ。

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福住廉連続企画「21世紀の限界芸術論」Vol.4「山下陽光の大チョロズムパノラマワールド」展
2008年9月19日[金]〜10月11日[土]17:00〜21:00(日・月・祝日休廊)
GALLERY MAKI
〒104-0033 東京都中央区新川1-31-8 ニックハイム茅場町402号室
TEL&FAX 03-3297-0717
地図→http://www.gallery-maki.com/map/