「塩田千春展―流れる水」(下山芸術の森・発電所美術館)

下山芸術の森発電所美術館に行ってきた。「塩田千春展―流れる水」はすごい。メインの作品は中古の医療用ベッドと水を素材に用いた大がかりなインスタレーション。「記憶」や「生と死」をテーマに適切な表現であると同時に、物質性が強く打ちだされていてまるで地球の模型のようにも思えてくる。
水によって変化する物質。水の流れ。はじける水。
それにしてもこの展覧会は本当の企画展だ。作品点数ばっかり多くて企画がないのに企画展と称している展覧会とは全然違う。大きなインスタレーションと小さな作品が数点なので、ボリュームに不満に思う人もいるかもしれないけど、僕は満足。この展示なら何時間でも見ていられる。
発電所美術館は、水力発電所だった建物を利用している。この展示空間がとても魅力的だ。生まれて初めて美術館の内部を撮影したいと思った。もちろん撮影禁止なのであきらめたけど。この美術館はいいです。同じ塩田千春の展示でも、大阪の国立国際美術館での展示より格段によかった。
美術館のスタッフも親切でいい人でした。やっぱり東京より地方のがおもしろいなぁ。
ところで発電所美術館はけっこう不便な場所にあって、ウェブサイトを見ると最寄駅(JR入善駅)からはタクシーでのアクセスを推奨していた。そして徒歩は「お勧めしません」とはっきり書いてある。もちろん僕は天邪鬼なのでお勧めされない方を選んで歩いてしまう。来週、青森でこれでもかっていうくらい歩くのに…。でも美術館までの道も田んぼと用水路が見えてたのしい。で、たっぷり50分ほど歩いて、往復100分ほどのウォーキング。来週のトレーニングにはちょうどよかったかも。
いろいろ考えなくちゃいけないとがあって、あーてもない、こーでもないと悩んだりしたけど、塩田千春の作品を見て元気がでた。希望が見えた。
美術館の外にある展望台もすばらしい眺めだった。いつかまたこの美術館に来たい。