寿町と黄金町

何年かぶりに寿町に。おお、たしかにドヤをリノベーションしたホステルが増えている。ふ〜ん、なるほで。でも、やっぱり寿町。おちつきます。昔はもっとくさい匂いがしたような気がするけど、今だってあんまりきれいではない。だけど、いいんだよね。昼間からお酒飲んでいる人がたくさんいていい雰囲気です。
寿町とか松陰町あたりから長者町を通って、日ノ出町とか黄金町あたりまで、涙がでるくらいいい街並み。バカどもがデカイだけしかとりえがないビルをドカドカ建ててできた「みなとみらい」なんかよりずっといい。ま、僕の育ちが悪いってのもあるのかもね。おちつきすぎて、散歩したり道ばたで座っているだけで時間がどんどん過ぎていく。寿町、いいなぁ。もちろん冬になると凍死する人がでたりとか、ドヤは大変だと思う。でも、こういう街があることはいいことじゃないかな。寿町の職安前広場は日本で一番かっこいい広場だし。広場と名がついたダサい公共空間がいっぱいの日本で、ここだけは本当に広場だ。渋谷とか青山あたりに漂ううそっぽさがない。渋さだって寿町で見るとよけいに燃える(萌えはしないのだよ、オタクたち)。やっぱり寿町に住もうかな。
うろうろしているうちにホステルポルトを発見。この中にギャラリーができたらしい。
http://portog.exblog.jp/
展示を見る。ふーむ、なるほど。これから、おもしろい場所になるかもね。

その後、黄金町まで歩いて、少しだけ黄金町バザールを見る。僕が取手に行くたびにお世話になっていた岩崎美冴ちゃんと遭遇。今は黄金町のスタッフとして活躍しているそうです。今日が最終日なので忙しそうだったけど、久しぶりなのでつい長話をしてしまった。お仕事中に申し訳なかったけど、うれしいな。
志村信裕さんにも会えた。志村さんの作品、かなりいいです。志村さんは横浜美術館のアーティスト・イン・ミュージアムも進行中で、10月23日から横浜美術館のギャラリーで展示するそうです。
http://www.yaf.or.jp/yma/exhibition/2006/artgallery/01_AIM/blog/archives/cat25/index.html
黄金町は岩崎さんががんばっていたり、志村さんみたいないいアーティストが活躍する現場をつくっていてそれはいいと思う。でも、問題となっていた人たち(不法入国・不法滞在が疑われる外国人売春婦など)を追い出して成立している黄金町と、昼間からお酒を飲んでいるアル中気味の日雇い労働者が今もしっかり生活している寿町では全然違う。アートが追い出しの言い訳になるのって、どうなんだろう?それも後付けの理由で。もちろんこれは(悪い意味で)ナイーブな見方なんだろう。まちづくりの当事者としてチャンスをもらっているんだから、それに参加する人は街をいい方向に進めようと努力すればいい。でもな…。結局、健康的なその手の団体に好まれる傾向のものだけがアートとして提出されている可能性は否定できない。その点、寿町はもともと住んでいる人たちは今も生活していて、その上でどうしていくかを試みているので断然気持ちがいい。
それにしても横浜って、やたら文化とかアートって文字が多い。体育館にまで文化がついて文化体育館というのがあった。うーん、そんなに文化っていいものか?文化、文化いっている人たちってろくなもんじゃないと思うけどね。「ノーカルチャー」という名前で何かやりたくなってきた。
とはいっても寿町はいい街です。文化より寿です。ついでにアートよりもノーカルチャー。