「ジカンノハナ展 ‐Time Blossoms‐」展 淺井裕介と狩野哲郎

淺井裕介と狩野哲郎による展覧会「ジカンノハナ展 ‐Time Blossoms‐」展が始まりました。横浜の黄金町スタジオで田多知子さんの企画です。
淺井君は、壁面にマスキングテープを貼ってその上に植物を描いて、どんどん変化・増殖していくマスキングプラントというシリーズや、土を溶いて絵具として使う泥絵を描いています。狩野くんはいろいろな場所に種子をおいて植物の成長を観察する作品で知られていますが、今回はより動的、あるいはバランスと非バランスの微妙な均衡を具現化したインスタレーションを行っています。

僕にとっては特別な二人の組み合わせ。
荒谷さんのギャラリーで藤浩志さんに出会い、その後、僕が藤さんの上映会を企画した。その上映会に淺井君と狩野君が来てくれて初めて会った。上映した藤さんの映像のよさ、本質的なイメージの強さをよく捉えてくれた二人だった。それからいろんなことがあった。淺井君はそのすぐ後からどんどん忙しくなって、いろんなところで大活躍するようになった。狩野君もいろんなところで活躍してきた。僕は相変わらずはっきりしないことばかりしているけど、ハッピーなことにいくつかの現場を淺井君といっしょに体験することができた。僕が初めて藤さんと会うきっかけをつくった荒谷さんは本格的なギャラリーをオープンして、そこで淺井君も展覧会をするようになったのには本当に驚いた。会社員をしながら、小さなギャラリーを運営していた荒谷さんの心は、独立してギャラリー一本の生活になった今もまっすぐでステキだ。僕は会社を辞めて一時期は鹿児島に引越して生活してたし、淺井君は結婚したし、荒谷さんは独立したり、ともかく、みんなそれぞれにいろんなことがおきた。

「ジカンノハナ展 ‐Time Blossoms‐」展の企画をしている田多さんは仙台在住で、展示の準備のために会社を休んで横浜に泊まりこんでいます。会期中は仕事が休みのたびに横浜に来るというスケジュール。慣れないところもあるようですが、展示のために一番大切なモチベーションは強いものがあります。
寒くなって季節は冬が近づいていますが、黄金町スタジオは作家とキュレーターの発熱で、熱帯にいるようです。どこまでも不思議な曲線を描きながら成長するマスキングプラントが時空を狂わせます。狩野君のインスタレーションが生態系のありえるかもしれない可能性を提示します。

ジカンノハナ展 ‐Time Blossoms‐ 開催概要

この度、淺井裕介と狩野哲郎による滞在制作型の2人展、「ジカンノハナ展 ‐Time Blossoms-」を開催いたします。
つきましては、下記詳細をご確認いただきまして、ご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

日時:2009年11月6日(木)〜28日(土) 12:00〜19:00(月・火予約制)
場所:
横浜市 黄金スタジオ A, B (〒231-0054 横浜市中区黄金町2−7先)
http://www.koganecho.net/koganecho_area_map/koganestudio.html
http://www.koganecho.net/koganecho_area_map/
・L CAMP (〒231-0053 神奈川県横浜市中区初音町1-23-3 初音スタジオA-2) http://lpack.exblog.jp/
・他

11月6日 18:00〜19:00 オープニング
11月7日 14:00〜15:00 トーク (一人500円珈琲付き)
11月19日 遠足イベント (時間未定)
11月21日 14:00〜15:00 トーク


作家:淺井裕介、狩野哲郎
企画:田多知子

−植物が育つその瞬間を人は見ることができない−

この展覧会は、淺井裕介と狩野哲郎による滞在制作型の2人展です、

私たちはここに3つの時間を提示します。
作品の中の人間以外の生き物が成長する目に見えない時間。
作品ができあがっていく過程、期間中作品が成長する時間。
そして作品の中に従来存在する時間空間。
会期中作品は成長を続けます。
忙しい毎日。駆け込む電車。飲み下す味のしない珈琲。子供の頃、夢中になって遊んでいたとき、そこには満ちた時間があった。どうして大人になると時間がなくなるのだろう。どうして、都会にいると時間が減っていく感じがするのだろう。果たして時間とは何なのだろうか。
淺井裕介と狩野哲朗は、時間泥棒たちとユーモアにあふれた対話を繰り返します。消して目には見えない時間を美術を通してあらわにすることにより、ミヒャエル・エンデの物語「モモ」のように、時間を取り戻す作戦を立てています。
会期中毎日展覧会の作品が変わりますので、 何度訪れても違ったものが見えてくる展示です。
是非、お時間の許す限り何度でも足をお運びいただき、日々変化する作品のジカンに触れて下さい。
何卒よろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ : jikannohana@mni.ne.jp

平成21年度横浜先駆的芸術活動助成事業
協力:黄金町エリアマネジメントセンター、アーロン ランゲージ サービス、試聴室、アラタニウラノ

ジカンノハナ展 blog
http://d.hatena.ne.jp/jikannohana/
作家,淺井裕介と狩野哲郎、キュレーターの田多知子が、制作、展覧会の過程を日々更新しています。