ヨコハマ国際映像祭、ジカンノハナ展(淺井裕介+狩野哲郎)

バイトしながら、昼休みに無理やり別のことをいくつかやり、バイトが終わってからヨコハマ国際映像祭に。
疲れていると映像の洪水はきつい。でも、でも、スティーブン・ピピンはやっぱりいい。2点、展示してあって、そのうち1点は前にもみたことがあるシリーズだったけど、もう1点は所見。モニターの配置も完璧。圧倒的にセンスがいい。よけいなものをごてごて飾りたてたりしない。すっきりとしていて、かつユーモアがある。
他にもいくつか気になった作品があった。BankART NYKにあった会場の作品は全体的に印象がいい。といっても、じっくり見る時間はなかったから、ささっと見ての印象だけど。ただ、映像祭というフェスティバル的なものでこの内容でいいのかは疑問。
横浜でやる大きな理由のひとつは、芸大の映像科が横浜にあるからだろう。だったら、もっとそこをプッシュしていいのでは?というか、いい意味でのアカデミズムを出したほうがよかったと思う。変に外に開こうとして、トリエンナーレ的なスペクタルな催事をねらったのだとしたら、現代美術よりもさらに映像という狭いフレームをお客さんに課しているのは疑問。実際に展示している作品はいいものがあって、それは別に狭い領域でのものではなくて、視野の広い、表現にも幅がある、映像の可能性を問い直すようなものだった。なんというか、主催者と企画者とのズレとか、期待する入場者層と実際の入場者のズレとか、いくつものズレがあって、ピシッとフィットした企画ではない感じ。
でも、僕はピピンの作品が見れたから満足だけど。
その後、黄金町まで歩いて、黄金スタジオの淺井君と狩野君の展示を見る。だいぶ、変化している。とてもいい。物質と物質の関係が、全体に対してのストラクチャーになっている。手を入れて、いれっぱなしじゃなくて、引っ込めたり、また加えたり、そういうモノへのアプローチの回数が半端なく多いのが、おもしろい。
そして、驚いたのはさがゆきさんとの再会。となりの「視聴室」で、さがさんたちのライブがあったのだ。さがゆきさんは中村八大の専属歌手だった人。中村八大の曲を大友良英さんのバンドでさがさんが歌ったアルバムは僕の愛聴盤で、東京でも鹿児島でもよく聴いていた。そしたら僕が桜島に住んでいたとき、ひょうなことで桜島の僕たちが活動していた場所で、さがゆきさんと谷川賢作さんたちがライブをしてくれることになったのだ。あのライブはよかった。うーん、懐かしい。
さがさんと話してみたら、なんと東洋(渋さ知らズ)とも何度もいっしょにライブしているらしい。ふーん、世界は狭い。うれしい、うれしい。
淺井裕介君と狩野哲郎君の展示は明日までです。まだ未見のみなさんは、ぜひ。