佐々木愛とgraf media gm

2月7日の夜に夜行バスに乗って大阪に向かう。2月8日早朝に大阪着。散歩して、喫茶店でコーヒーを飲んでから、メリヤス工場跡に荷物をおいて仮眠。
それからgraf media gm佐々木愛さんの展示を見に行く。最終日ぎりぎりでした。おお、新しい展開です。モチーフも、技法も。ニュージーランドのレジデンスで、得たものが大きいのでしょう。鳥や植物も、いままでにない描かれ方をしています。色彩も鮮やかな作品が増えています。変化している、でも、愛さんの「らしい」ところは残っている。その「らしさ」はどこにあるのか、僕はまだつかみきれていない。とにかく愛さんのこれからの作品がますますたのしみになりました。佐々木愛的なるものはどこにあるのかは、今後の僕の課題。
graf media gm のスタッフの方も素敵な人たち。作家との協力関係のあり方が自然な感じがしてよいです。もちろん大変なこともいっぱいあるのだろうけど。魅力的な人が魅力的な場所を作っている。なんで、その魅力に説得力があるかというと、関わっている人たちが、本気でたのしんで、本気でその場所を作っているからだと思う。やっぱり、それが基本だし、それ以上に大切なことはない。
誰かにやらされている動機のない作業や変な理由でできた場所が世の中にどれほど多いかってことでもあるんだけど。僕の場合、アートでもなく、映像でもなく、信用できるものを見たいだけ。「アート/アートでない」の区別よりも、「信用できるか/信用できない」のがずっと重要だと思う。ちなみにアートがおもしろいとしたら、それは世の中一般には信用がないとされるものに、いかがわしい信用をもたらすというのもあるのかも。契約書とか、学歴とか、資本の大きさとかそういうものよりも、佐々木愛が描く線のが信用できる。少なくとも僕にとっては。何故だろう?理由はわからないが、本当にどっちが信用できるかは考えるまでもなく明らかなのが、これまたおもしろい。結局、世の中で信用に値するとして流通しているものは、流通自体が信用を保証・証明していて、内部にはその根拠がないんだもの。愛ちゃんの絵は、それぞれに好き嫌いのレベルでの判断はあるけれど、疑う必要はまったくない。ただ作品の世界に心を浸せば、それがどんなに豊かなものかを体験できる。うーむ、途中から(脱)アート論みたいになってしまった。
それにしても愛ちゃんの絵、ほしいな…。よし、バイトしよう。