ウダー、山下陽光、『アフンパル通信』八号、淺井裕介、三松正夫記念館

ようやく時間ができたので、最近見聞きしたものやできごとのご報告です。
けっこう前のことになりますが7月11日に銀座のApple Storeで行われた『ネットでものを生み出すということ』の刊行記念イベント。まずは電子楽器ウダーの宇田さん登場。ウダー制作秘話と生演奏。めちゃくちゃたのしい。うれしい。感動。ウダーはユニバーサルなデザインだと思う。ユニバーサルなシステムをとしてよくできているのでローカルな使い方ができる楽器。宇田さんのキャラクターも頑固だけど柔軟でいい感じ。
そして、山下陽光。陽光君は別府で出会ったものすごい人たちのレポート。これはすごかった。けど、今ここで詳しくは書けません。とにかく、別府にはおもしろい人たちがいる。来年は別府に住むのがいいかも。僕の場合はやっぱり現場で考えないとダメだし、そこで出てきた問題や関心から本を読みたい。大学にいるべきではないのかもね。現場は東京でもつくれるし、それはわかっているから大学院に入ったんだけど、DC系はそういう方向とは違うみたいだし。10年くらい働いてから、また学生になってもいいか。実践的にプロジェクトを行う研究室でないと、僕にとっては魅力的でないのがはっきりしてしまった。管啓次郎先生は最高におもしろいんだけどね。それはともかく、山下君には別府のレポートをこれからも続けてもらいたい。僕も今年か来年には別府に絶対に行く。藤さんと同じくらい強烈な出会いがありそうです。
松村さんの司会もよかった。松村さんは鋭い視点を構えないですっとさりげなく出してくる。独特なおもしろさをもった人物だと思います。ぜひ、明治にも来てもらってお話していただきたい。ささっと最近のことを箇条書きするはずだったのに、これでは書き終わらない。↓のクスールのブログもご覧ください。
http://blog.cshool.jp/2009/07/1501.html

そして、書肆吉成から『アフンパル通信』八号が刊行されました。いい雑誌です。我らが管啓次郎先生も詩を寄稿しています。すべての執筆者の文章が読ませます。でも執筆者のレベルも高いけど、編集者である吉成さんの意志の強さが何よりもすごい。雑誌がつまらなくなって久しい気がしますが、『アフンパル通信』は毎号たのしみな雑誌です。雑誌なのにちっとも「雑」ではない雑誌が増えているのに、『アフンパル通信』は幅があります。それぞれのテキストはどれも異なった輝きをもち、一目でわかる単純な関連性はない。「雑」なものだ。その「雑」の輝きが吉成さんの手によってひとつに編まれている感動。声高い叫びではないけれど、静かな、そして確かな熱があります。ぜひ、ご購入を!
http://diary.camenosima.com/

7月23日に群馬県立近代美術館で「まいにち、アート!!」展を見に行ってきました。
http://www.mmag.gsn.ed.jp/exhibition/mainichi.htm
会期はまだあるので、あせる必要もなかったんだけど淺井裕介のトークがあったので。淺井君の作品、ものすごくよかったです。圧倒されました。ここ1年くらい淺井君がとりくんでいる泥絵の中でも格別のでき。大きな壁を前にして、下がって引いて見ることなく、描くことに夢中になって描くための方法を即興的に考えているのがすごい。下がって見るのと壁に近寄って描くのを繰り返せば構図は安定するけど、描くことを何よりも大切にしている淺井君にとってそれでは描く熱が冷えてしまう。環境や条件にあわせて方法からつくっているのがすごいのだが、その方法を考えて実行できるのは過去の現場での経験があるからだろう。僕は教えてもらってしまったけど、それがどんな方法かは絵をよく見ればわかるかもしれない。環境と方法と絵が関係してくるのは当たり前だけど、気持ちいい。もう、これだけ見れれば何もいらないというくらいいい。淺井君以外のアーティストの作品もおもしろいです。この展覧会は見る価値があります。僕ももう一度行くつもり。
そうそう、群馬近美で「火山焼」の椎名勇仁さんにお会いした。初対面だけど火山の話題でもりあがる。三松正夫記念館の話などを教えてもらう。ここのことは前にドクターTからも聞いていて興味をもっていたんだけど、ますます行きたくなりました。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/usuvolcano/eco77/mmuseum.htm

うーん、他にも何かあったような気がするけど思い出したら書きます。今は京都に向かっているところ。辻直之君の作品を見て、明日と明後日は藤さんにインタビュー。